世界人口は2050年に100億人へ…人口増加とGDPの関係 投資指標にすべき?

世界人口は2050年に100億人へ…人口増加とGDPの関係 投資指標にすべき?

最近では空前の投資ブームですが、特に人気の投資先は間違いなく”米国”でしょう。

ただ、ずっと米国一強が続くとも考えにくく「次はどこに投資すべきか」は全ての投資家が気になるところでしょう。

もちろん正解なんて分かる訳もないんですが、投資先の選び方の1つの指標に「人口増加」があるので今回見ていきます。

世界の人口は鈍化しながらも100億人突破へ=世界のGDPも増加

日本は「超高齢社会」で人口が減少しているというネガティブなニュースは耳タコだと思いますが、世界全体での人口の増減についてご存じでしょうか。

世界人口は2021年時点で78億7500万人にもなるんです。

1950年~2020年の世界人口の推移
参考資料:世界人口の推移(1950~2050年)| 総務省統計局

これは1950年には約25億人だったところから見ると、70年間で世界人口は3倍以上に急増している事になりますね。

そして世界人口の増加率は徐々に減っていきながら2050年には100億人に達するとの予想もあります。

つまり、日本では人口が減少&働き盛りの割合も減少するような状態ではありますが、世界全体でみるとまだまだ人口は増加途中という見方ができます。

人口の増加=GDPも増加=好景気になりやすい

そして人口が増加すると、それに比例して増えるのがGDPです。

GDPは「Gross Domestic Product」の略で、日本語では「国内総生産」と略されますね。

人口が増えれば食料もスマホなどのインフラも、賃貸を借りる人の数も増えますし、あらゆるサービスを利用する総数が増えます。また増加した人口の一定数が労働で生産を行うため、単純に年間の生産量も増えます。

すると人手が足りないので雇用も増えますし、会社は売上増加で給料なども上がるかもしれません。すると消費行動が活発になるのでお金が循環しやすくなり、このループによって国の景気は良くなりやすいです。

今回のケースだと「国内」ではなく「世界全体」で年間で生産されたお金の総量にも同じことが言えるのではないでしょうか。

事実、世界人口が増加フェーズにあるので世界全体でのGDPは以下のように激増しています↓

世界のGDP総和
2020年 84,971,650,000 US$ (約85兆ドル)
2010年 66,364,930,000 US$
2000年 34,016,100,000 US$
1990年 23,649,230,000 US$

あまり実感がわきませんが、1990年から2020年の30年間で世界全体で1年間に生産されるお金(サービス)の総量は3~4倍に膨れ上がっています。

今人口が10億人にまで増加した中国を考えれば、GDPが急増してものすごい経済大国になっていますよね。

つまり、投資先の1つの指標として「人口が増加している国」という考え方もありなのではないかという事です。

ただし世界人口の増加率は徐々に鈍化⇒2100年には人口が頭打ちに?

ただし地球という有限の土地で生きていける人の数も当然有限です。

世界人口のピークには諸説ありますが、国連が公表した予測では2100年には109億人でピークに達し、以降は頭打ちになるか減少する可能性もあるとの事です。

国連が昨年公表した予測によると、人口は当面伸び続けるが、2100年に109億人でピークに達する可能性がある。今世紀中に増加が止まる、あるいは減少に転じる確率も27%あるという。

世界人口のピーク_読売新聞オンラインの引用

国が公表している「人口の増加率の予想」でも、以下のように今後は世界全体で見ても人口の増加率が鈍化していく事が予想されています↓

世界人口の増加率の鈍化

つまり世界全体のGDPの増加も鈍化していくので、徐々に世界全体での投資のリターンも下がっていく可能性があるのではないかと。

もし投資の複利シミュレーションではずっと年率5%や4%でシミュレーションする事が殆どですが、特に世界全体に投資するようなケースだと、長期的にみるとこの辺も考慮した「徐々に下がっていくシミュレーション」を想定しておくというのもありかも言しれませんね。