時間が原資を膨張させる『複利の力』ってすごい!投資の運用期間の重要性

時間が原資を膨張させる『複利の力』ってすごい!投資の運用期間の重要性

最近ではFIREという概念がかなり浸透してきていますね。

FIREはFinancial Independence(経済的自立), Retire Early(早期退職)の略で、「充分な経済的余裕を確保した状態で早期リタイアする」というもの。

定年まで働く事が当たり前の日本にとってかなり魅力的な考え方なのですが、多くのFIREでは「長期積立投資」をFIREの経済的自立の柱としています。(実際のFIREのシミュレーションも別ページやっています↓)

【積立額別】いつFire出来るのかシミュレーションしてみた!複利を活用=結局時間はかかる 【積立額別】いつFire出来るのかシミュレーションしてみた!複利を活用=結局時間はかかる

そして「長期積立投資」のキモでもあるのが「”複利”の力」です。

長期積立で原資が膨らませるには「複利の力=時間」が必要=早く始めるのが重要

特に積立投資で原資を大きく膨らませるには「複利の力」が必要です。

以下は利回り4%、5%、6%で運用した時の「運用年数」と「原資の膨らむ倍率」の推移をグラフにしたものです↓

利回り別の運用年数と原資が膨らむ倍率

年間4%で運用する限り、月に何円積み立てたところで上記の膨らみ方をする訳です。

例えば、今手元の10万円だけ運用する場合、利回り4%とすると

1年後には10万円の4%が増えた状態に
5年後には10万円の13%が増えた状態に
10年後には10万円の25%が増えた状態に
20年後には10万円の55%が増えた状態に
30年後には10万円の94%が増えた状態に

と、順当にいけば30年後には2倍の価値の20万円近くまで膨らんでいます。積立投資はこれを毎月時間差で行い続けるイメージです↓

毎月積み立てる分が大きくなっていく図

つまり単純に「時間を経るほど、原資は膨らむ」という事なので、手持ちの原資を効率的に大きく膨らませるためには、複利を使う=時間を味方につける必要があります。

そして最も早く始められるタイミングは… 今なんですね。

原資の大きさは膨張スピードには無関係

そして手元の原資が1億円あったとしても、同じ倍率で増えていく事になります。

1年後には1億円の4%が増えた状態に
5年後には1億円の13%が増えた状態に
10年後には1億円の25%が増えた状態に
20年後には1億円の55%が増えた状態に
30年後には1億円の94%が増えた状態に

元手が多い方が急激に増やせるかというと、そんな事は無くて膨らむ倍率は10万円の時と同じです。

つまり複利は時間が平等に味方している事が分かりますね。

【複利のポイント】
時間だけが膨らませる=複利は時間が味方
膨らみ方に原資の大きさは無関係=倍率は平等に味方する

【ウサギとカメ】20歳から月5万円積立 VS 40歳から月15万積立

複利の力を体感するために、例を見てみましょう。

20歳から月5万円ずつ積立投資するAさん
40歳から月15万円ずつ積立投資するBさん(Aさんの20年後にスタート)

上記の2人、どちらが早くゴール=FIREラインの6千万付近(仮設定)に到達すると思いますか?

AさんはBさんより20年早く積立投資していますが、
BさんはAさんの3倍の額を投資しています

「積立総額」の2人の推移はこんな感じ↓

20歳から月5万円積立-VS-40歳から月15万積立_積立額の推移

Aさんは20年先にスタートを切っているとは言え、Bさんは3倍を積み立てているので、積立原資は直ぐに抜かされてしまいます。

ところが「運用総額」の2人の推移はこんな感じ↓

20歳から月5万円積立-VS-40歳から月15万積立_総額の推移

60歳時点でAさんが先にゴールしています。

原資の膨らみ倍率を見ると、60歳時点での2人は

Aさん:2400万を積み立て、総額は5930万⇒「原資の247%」
Bさん:3600万(Aさんの1.5倍)を積み立て、総額は5574万⇒「原資の155%」

AさんはBさんの3分の2の原資しか積み立てなかったのに、Bさんより総額が大きくなっていますよね。これは「元の原資を長い時間をかけて複利が247%まで大きくした」という事に他なりません。

正にウサギとカメで、早くスタートすると複利の力で高倍率に増えるという事です。

何が言いたいかというと、早く始めた方が「得」という事です。

年齢 Aさん Bさん
原資 総額 原資 総額
20歳 0 0
21歳 60 62
22歳 120 127
23歳 180 195
24歳 240 265
25歳 300 338
26歳 360 414
27歳 420 493
28歳 480 575
29歳 540 660
30歳 600 749
31歳 660 842
32歳 720 938
33歳 780 1038
34歳 840 1141
35歳 900 1249
36歳 960 1362
37歳 1020 1479
38歳 1080 1600
39歳 1140 1727
40歳 1200 1858 0 0
41歳 1260 1995 180 187
42歳 1320 2137 360 382
43歳 1380 2285 540 584
44歳 1440 2439 720 795
45歳 1500 2599 900 1014
46歳 1560 2765 1080 1242
47歳 1620 2938 1260 1479
48歳 1680 3118 1440 1725
49歳 1740 3305 1620 1981
50歳 1800 3500 1800 2248
51歳 1860 3702 1980 2525
52歳 1920 3913 2160 2813
53歳 1980 4131 2340 3113
54歳 2040 4359 2520 3424
55歳 2100 4596 2700 3748
56歳 2160 4842 2880 4086
57歳 2220 5098 3060 4436
58歳 2280 5365 3240 4801
59歳 2340 5642 3420 5180
60歳 2400 5930 3600 5574

逆に短時間でFIRE(=複利を使わない)は難しい=時間はかかるので年金積立くらいのスパンを覚悟して

逆を言うと、複利の力は時間をかけないと大きくは働きません。

以下は年利回り4%と仮定した時の「月の積立額」と「仮ゴール総額が6000万円=月利益が20万になるまでの期間」の一覧です↓

月積立額 総額が6000万になる時期
月10万 27年後
月15万 21年後
月20万 17年後
月25万 14年後
月30万 12年後
月35万 11年後
月40万 10年後
月45万 9年後
月50万 8年後

これを見るとよく分かるのですが、いくら月の積立額を大きくしても、ゴールまでの時間の短縮は鈍くなっているのが分かります。

つまり手元の原資を複利で増やすには時間がかかる(直ぐには増えない)という事ですね。